【結果発表】
第2回『手』フォトコンテスト
たくさんのご応募ありがとうございました。
今回のテーマ「はたらく手」の中で、審査員の厳正な審査の結果、
- グランプリ1点
- 入賞3点
の合計4点の作品を選出させていただきました。おめでとうございます。
写真家の鈴木先生からの総評
今回のコンテストの応募総数は昨年と比べてとても多い約700点もあって、数多い作品を選考するには時間がかかりました。
応募作品全体の印象は、撮影した人の「はたらく手」に対する解釈が興味深く、作者の考えや想いが写った魅力的な作品が多かったので、楽しみながら審査させていただきました。
中には、良い写真なのに「はたらく手」よりも撮影した場所や仕事の状況など、周りの色々な情報が目立ってしまう説明的な作品が幾つかありました。
撮影するときに被写体と対峙して、どう撮ればテーマが明確に伝わるのか考えて、次のコンテストに応募くださることを楽しみにしています。
グランプリ
Yoshie Hasegawa 様
モノクロならではの光と影の階調が美しく、今回のコンテストの中で、一目で惹かれたのがこの作品でした。
ろくろを使って陶芸をしている手を色を排除したモノクロで仕上げることで、手に付着した粘土、そして皮膚の皺や毛穴の質感など、その場の空気感がとても伝わってきます。
回転するろくろの躍動感をスローシャッターで写す表現力など、作者の写真撮影のスキルの高さを感じます。
入賞①
nandyyrk 様
蕎麦や蕎麦粉がまるで生きているような動きで、手際良くはたらく手の表情がとても伝わる作品です。
蕎麦を打つ職人の手を敢えてブラすことで、蕎麦を打つ臨場感が表現されています。
また画面全体の明るさのトーンを暗く抑えることで、作業場の静寂な雰囲気を引き出しています。
入賞②
アラカキ リュウゴ 様
畳を作っているのか、修理をしているのか、昔ながらの熟練した畳職人のはたらく手が印象的な作品です。
畳職人の身体や背景をボカして、手にフォーカスを合わせることで、主題が強調されています。
画面から切れている手も写るように、カメラを横位置の構図にして手と畳のシンプルな画面構成にすると、はたらく手の表情がもっと伝わる良い写真になると思います。
入賞③
sena_8833 様
畑で収穫しているお年寄りのはたらく手と、採れたての瑞々しい葱の対比が命の物語を連想させる作品です。
年齢を重ねた手とネギを対角線の構図で撮ることで、纏まりの良い画面構成になっています。
画面全体の明るさを少し暗くすると、手の皮膚の質感が出て印象の強い写真になると思います。